Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

フラスター処理の試験

シャインマスカットを生産する中で一番の悩みの種は肩部の巻き不良だと思います。

どれ程粒揃い良く、大粒で玉張りの良い房を作っても肩部が巻き込まないと房型は悪くなり、一気に商品価値が低下します。

肩幅の広く肩部の巻き込みの悪いシャインマスカット程不細工な物は有りません。

その原因の一つとして考えられるのが、小果梗(粒の軸)の徒長にあると広島の果樹研究所に視察研修に伺った時にお聞きしました。

特に粒を太らせる程その症状は顕著に現れるようです。

そう言えば私の圃場でも粒の余り出ない若いシャインは良く肩を巻き、粒の出る成木は肩幅が広く肩が巻きません。

普及所の指導員さんに相談してもその正確な回答は得られませんでした。

玉直しをマメに行って粒を積み上げていったり、粒間引きを減らし粒を混まして巻き上げさすと言う手も有るにはありますが、それはそれで粒が外れてしまうリスクがあったり、粒が太らなかたりと弊害も多々有りますし、何より手が掛かってしまいます。

あと普及所の資料には満開10〜14日までの早期の肩決めや摘粒で上向粒を多く残すなどの対策も有りますが、これらも決め手にはなりません。

そもそも花軸長が合っていれば肩決めなどしませんし、小果梗が伸びてしまった粒は上を向いてはくれません。

その時対策としてフラスターの葉面散布が有ると所員の方がおっしゃってましたので、早速試験的に行う事にしました。

通常ぶどうには新梢の伸びを一時的に止めるのに使用します。

つまり開花始期に摘心しなくても枝を止める事が出来、花穂に養分をまわす事が出来ますので、葉面積を稼ぐ事も可能ですし副梢もふきにくくなります。

その副産物としてか、小果梗の徒長も防ぐ事が出来るそうです。

早速良くご存知の方に詳しい使用法をお聞きした所、小果梗の徒長を防ぐのが主眼ならば満開14日前頃の花穂ドブ浸け処理の方が良く効くとの事でした。

但し正規の使用方法では無いので、そこはご自身の判断でとのご注意も頂きました。

まあ葉面散布すると当然花穂にも付着しますので同じでしょ・・・それに開花前ですので、当然まだ花冠は付いていますから粒に直接付着する事は有りません、と言う事でドブ浸けにて行う事にしました。

それに100ml入り(希釈倍率1000〜2000倍)で5千円弱と結構高価な薬剤ですので、無駄に葉面散布するにはかなり勇気の必要な金額です。

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フラスター液剤てす。

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マイシン時と同じく2Lペットボトルと計量スポイドとコップを用意します。

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ドブ浸け時の希釈倍率をお聞きするのを忘れていましたので、葉面散布に同じく1000倍に希釈します。

なので水2Lにフラスター液剤を2ml加え良く攪拌します。

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後はコップに注ぎ花穂を浸漬けして行きます。

あくまで試験ですので、H型シャインの亜主枝1本の半列のみ実施します。

果たしてどう言う結果が出ます事やら・・・。

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誘引も粗方終わりましたのでここらで軽く摘心しておきます。

メッシュから飛び出した強い枝の先端未展葉部を切除して、遅れている枝を成長させます。

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同じく目に付いた副梢を房元3枚、房先2枚残して切除しておきます。

通常房元2枚、房先1枚ですが、私は開花時の摘心を強くするので要面積を稼ぐ為、副梢を多い目に残します。

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昨日分施2回目、ノルチッソ1kg施用しました。