Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

シャインマスカット果粒軟化と副梢管理

オーロラに引き続き、シャインの果粒軟化も始まりましたので、副梢管理を行います。

シャインはより一層の果粒肥大を狙い執拗に、伸びる副梢は止めて行きます。

尚且つ、更なる糖度上昇を期待して日の当たる所はなるべく葉を多く残して切除し、葉面積を稼ぎます。

オーロラはこれ以上粒を大きくする必要は有りませんので、副梢が邪魔になるようなら適宜切除処理しますが、葉面積を稼ぐ為なるべく葉を多く残すよ長めに残します。

ロザはまだ果粒軟化が始まっていませんので、満開2週間後より放置しています。

ロザは葉が他品種に比べ極端に小さい為、あまり副梢を切除し過ぎると葉面積も小さくなりますし、房への日当たりも良くなり過ぎて日焼けの心配が有りますので、果粒軟化後に一度軽めに摘心した後はほぼ放置しますが、目に余る長さになりましたら適宜副梢を長目に残して切除します。

又、巻き蔓もかなり出て伸びますので、巻き付きそうな副梢は早めに切除します。

2番生りも同じく。

これから成熟にかけて活躍するのは、元葉では無く副梢の葉ですので、くれぐれも除去し過ぎ無いようよく見て行います。

葉を多く残すと当然葉の付け根から副梢が新たに発生し、正に無限ループ地獄状態になりますからかなり面倒ですが、成熟期までは適時切除を繰り返します。

収穫期を過ぎれば、再び元葉が活躍しますので、邪魔な副梢はバシバシ落とします。

これはあくまでも私の見解ですが、どうやらぶどうはかなり自分本位な植物らしく、美味しい実を沢山付けて動物達に食べさせ、子孫繁栄などとはあまり考えておらず、自分が生き残るのに必死で、放っておくと実に養分を廻さず枝葉ばかりを発生成長させようとするようです。

なので新たに出現する枝(副梢)が伸びるのを抑え、実にたっぷり養分が廻るように導きます。

但し葉を減らしてしまうと、光合成による糖分生産が鈍りますのでバランス良く行います。

副梢を切れば切るほどぶどうは焦るのか、より一層新たな枝を勢い良くあちこちから出して来ます。

なので手を抜くには、先端の副梢を1本伸ばし続けてやります。

そうしてやると安心してか、余り余計な副梢を発生させませんが、果粒肥大は劣る事になります。

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満開2週間後の最後の副梢管理より、約20日間放置しましたので、めちゃくちゃむさ苦しくなっています。

満開2週間後から果粒軟化期までの期間に激しい枝管理を行いますと、生理障害を助長する事になります。

特にシャインにはこの現象が顕著に現れるようです。

こちらのシャインは大人しく、あまり勢いが強く無いのでまだましですが、もう一本のシャインは爆発しています💦。

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サッパリしました😁!

これからどんどん暑くなりますが、とびきり美味しいぶどうを目指して、この無限ループ地獄を乗り越えます💪!

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ぶどうの枝(新梢、副梢を問わず)には、葉っぱの反対側に必ず房か巻き蔓が発生します。

ぶどうの木は枝を自立させるのが疲れるのか、この巻き蔓を様々な物に巻き付けて枝を支えながら、天(太陽)に向かって伸びて行きます。

この巻き蔓が厄介で、放置して置くと病原菌が越冬する格好の住処となります。

秋から冬にかけて木質化すると、除去するのに手間が掛かりますので、発見次第除去し易い今のうちに取り除いて残さないようにします。

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本日オーロラブラックの着色開始を確認しました。

私のオーロラは粒が大きくなり過ぎるせいか、色付きは今一ですが、収穫開始まで後約一月弱・・・、今年も美味しく成熟するよう、しっかり色が付きますようにと、🙏する今日この頃です。