芽飛びの防止
育成若木の剪定も終え、どんどん暖かくなってきましたので、そろそろ私のぶどうの木達も長い休眠期から目覚めて活動を始める事かと思います。
目を覚ますその前に芽飛びを防ぐ為、芽傷処理とメリット青の塗布を行なっていきます。
作業時期は、産地の気候によって多少のズレが有ると思いますが、この辺りでは2月下旬〜3月上旬で、ブリージング(樹液流動期)の直前と言う事になります。
あまり早すぎると意味は無く、又枯れ込み等の心配が有り、遅すぎてブリージングが始まってしまうと逆に芽の成育に良く有りません。
育成若木の、ブリージング日時の確認と記録を毎年していませんが、成木の場合はオーロラでここ2年間3月1日、シャインが数日遅れと言った所でしょうか。
成育の早い品種から、順次作業を実施して行きます。
ベテランさんは、ノコや剪定鋏で行いますが、私は失敗するのが(芽傷が深過ぎても浅過ぎてもいけません)怖いので、専用の芽傷鋏を使用します。
この方が力加減もいらず、ただいっぱい握るだけなので、気を遣わず楽でも有ります。
私の圃場で一番早生品種で有るオーロラブラック、今年3年生から行なっていきます。
ブリージングが始まると、延長枝の先端から発芽抑制物質が基に向かって流れるらしく、途中の芽がその影響を受けて発芽し難くなります。
なので先端から2〜3芽は芽傷を入れません。
又、短梢剪定の場合、延長2年目以降は1〜2芽で剪定しますので、行う必要は有りません。
芽の先側2〜3mm位に、芽からあまりズレないよう芽傷を順次入れて行きます。
深さは形成層に達する程度、木質部にやや切り込む程度、約2mm程度ですね。
浅過ぎると効果は有りませんし、深過ぎると枝が折れてしまったり、芽に養分が届かなかったりしますので慎重に。
芽傷鋏ならあまり深さを気にしなくて大丈夫で、安心ですね。
これで、先の方から流れて来る発芽抑制物質が芽に影響を及ぼすのを防ぐ事が出来るようです。
同じ理由から、芽傷処理が終わった亜主枝の先端を下げておきます。
私の圃場では、もう分岐する木は有りませんが、WH型整枝等で、内側の分岐を新たに出す場合などは、必ず出したい芽にも芽傷処理を行います。
メリット青の塗布を行なっていきます。
メリット青の原液を同量の水で希釈し、良く攪拌します。
ハケで芽にたっぷりと塗ってあげます。
枝にも塗布又は散布した方が良いとか、樹勢の強い品種は原液でとか、様々な情報が有りますが、私は全品種2倍希釈で芽への塗布のみしています。
メリットは液肥なので、芽に栄養を与えて発芽を促進させると言う事でしょう。