Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

二年生育成若木の樹冠拡大

昨春に新植しました、二年生育成若木延長枝も続々と目標通り順調に伸びましたので、この辺で簡単に記事にしたいと思います。

昨春にはピオーネ3本、オーロラブラック2本、瀬戸ジャイアンツ2本、クイーンニーナ2本の計9本を新植しました。

昨年前半はあまり伸びず、遅れて来た梅雨で一気に伸びました(クイーンニーナを除いては)。

今年は二年目と言う事も有り前半よりグングン元気良く伸び、あっと言う間に目標の長さまで伸びました(クイーンニーナを除いては😤)

本当にクイーンニーナは呆れる程伸びない奴です。

私の苗木だけでしょうか?

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二年生ピオーネWH型3本

昨春苗木を新植後そのまま棚線まで伸ばし棚下約30cmで摘心、左右に副梢を伸ばしYの字からさらに延長し、内側亜主枝は主枝が内側の棚線を超えてから、さらに副梢2本をそれぞれを2芽飛ばして内側主枝線まで返し枝にて誘引、そのまま主枝を伸ばし外側主枝線のチョイ手前まで・・・、とここまでが昨年の成長です。

今春に剪定し(18節にて、各分岐部までは半量で)、芽キズ処理、メリット青塗布、4月上旬に発芽し、内側は昨年の分岐先端よりそれぞれ新梢にて延長、外側はあと一息外側主枝線まで一旦伸ばし摘心、副梢を発生させ左右に車枝にて副梢を延長しました。

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内側主枝分岐部と延長枝

我ながら、なかなか綺麗に2芽離して返し枝が出来ています。

(昨年に副梢にて内側分岐後軽く主枝線に誘引出来るまで伸ばし今春18節で剪定、少し切り戻して新梢を伸ばしています)

内側の分岐は車枝にすると強くなり過ぎ、外側の亜主枝が負け枝になり弱くなってしまいますので、内側の主枝線を主枝が通過してから副梢を元側に戻すように伸ばして行く返し枝にします。

さらにその2本の亜主枝候補の副梢は2芽以上離してやらないと、年数が過ぎて亜主枝が太くなった時に窮屈になり締まってしまいます。

どうしても枝を取る事が出来なければこの限りでは有りませんが。

ワンシーズンに伸ばせるのは充実具合の良い枝で18節なので、もっと伸ばしたいのは山々ですがここは欲張らず、18節プラスαで摘心して枝を止め枝の充実促進を優先します。

さらに再伸長を抑える為(再伸長させると節間が長くなる恐れが有りますので)枝先を下げておきます。

遅くても7月末までには摘心して枝を止めてしまわなければなりません。

ついでにテープナーから吊り紐に変更し、延長枝の根元から昨年の延長枝の剪定部までを切除しておきます。

光分解テープを使用している為、枝が太くなったり重くなったりするとすぐにはち切れてしまいます。

枝の太り過ぎを抑制する為、先端の副梢とスペアの亜主枝候補枝はそのまま秋まて伸ばし続けます。

枝の太さは三色ボールペンくらいが良いとされ、太過ぎても細過ぎても良く有りません。

ぶどうは何かにつけ、強弱の差を付けず中庸均等を好むようです。

因みに私は確認する事は有りませんが、枝の中の髄の径は小さい方が良いようです。

木質化しだしたら枝先を戻し、剪定時に18節まで切り戻します。

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外側主枝分岐部と延長枝

剪定後から一旦外側主枝線まで新梢を伸ばし摘心、車枝にて副梢2本を伸ばしています。

副梢の為あまり伸びていませんが、まだ7月一杯は伸ばせますので頑張ってもらいましょう💪!

来年は少量房を生らせる予定です。

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瀬戸ジャイアン

トリプルH型1本と変則WH型1本(圃場の地形がイレギュラーな為、一列のみ外側亜主枝が片側にしか伸ばせません)

ピオーネに同じく良く成長しましたので、来年少量房を付けます。

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内側主枝分岐部

トリプルの為内側の返しは片側のみです。

後はピオーネに同じく。

片側はかなり苦しいですが、一応返し枝と言う事で・・・😓。

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外側主枝分岐部

内側の主枝が無い方は昨年に車枝にて分岐済み、亜主枝延長のみです。

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オーロラブラック

H型1本とトリプルH型1本

オーロラは今一伸び悩みました。

撮影時に気が付きましたが、左右でかなりの強弱が出てしまっているようです💦。

忙しさにかまけて適当に見ていたようです。

いけませんねー・・・。

そう言えば・・・今更ながら思い起こすと、昨年は片側が折れたか何かでY字まで剪定で切り戻し、もう片側は主枝線に分岐した所で剪定した為でしょうか?

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分岐した主枝にもすでにこんなに差が出てしまっています。

ぶどうの育成において、負け枝を作らないと言うのが鉄則で、一度負け枝を作ってしまうと勝ち側ばかりが成長し、負け側は勝ち側に2度と追いつき挽回する事は有りません。

これは育成時に限った事では無く、将来的に新梢や房の生育、開花期や満開期の不揃いなどさまざまな影響を及ぼす可能性が有ります・・・。

やはり一年目、二年目の幼木の育成は慎重に行わないといけませんね。

ここで失敗すると二度と挽回は出来ません。

この時期の育成が、良い木になるかどうかの最重要ポイントと改めて思い知らされました。

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勝ち側の分岐部と延長枝

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負け側の分岐部と延長枝

圧倒的に負けていますね。

今後の新梢管理や房管理に気を付けなければいけません。 

オーロラは来年の初生りお預けですね。

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クイーンニーナ

WH型1本、H型1本

元々はWH型2本で育成する予定でしたが、広島のぶどうカキ研究所に視察研修に伺った際に(クイーンニーナはそこで作られたようです)WHよりH、Hより一文字の方が色付きが良いとお聞きしましたので、物は試しとばかりに急遽1本のWH型をH型に変更し、今春新たにWHの外側主枝線それぞれを利用する形で、2本の苗木を新植しました。

H型1本を一文字2本でサンドイッチする格好です。

若い方の成木シャイン、クイーンニーナ3本と木が密集してしまいますが、まあ致し方ないでしょう。

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内側分岐部

昨年は内側主枝線に到達した辺りで打ち止めとなり、剪定でY字まで切り戻しました。

かろうじて1本内側亜主枝を誘引、他はまだ癖付けしながら徐々に主枝線に向けています。

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外側はまだまだ主枝線まで遠いようです。

クイーンニーナ、初生りまでの道はまだまだ険しい模様です。

 

これまでシャイン、ロザ、ピオーネ、オーロラ、瀬戸、クイーンニーナと6品種育成してみましたが、やはりシャインが一番難敵でした。

シャインは枝が硬くしならない上、付け根が開花期を過ぎるまではかなりもろく、何本追ってしまった事か・・・、付け根がやっと強くなったと思えば、しならない枝が細い所はポキッとすぐに折れ、そのくせ先端はフニャフニャでビニールやメッシュや中支柱など障害物に当たるとすぐに先が飛んでしまう始末・・・。

副梢誘引時も気を許すと、付け根からすぐに折れてしまいます。

何かにつけて、やはりシャインには一番手こずらされます。