Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

苗木の育成管理①

私の園地では最後の新植となる今春に植え付けを行いましたマスカットオブアレキサンドリアとクイーンニーナの一年目の育成管理を記事にしたいと思います。

2月下旬に、アレキ1本とクイーンニーナ2本の苗木定植を実施しました。(詳しくは苗木の定植で記事にしています)

4月の20日前後に発芽を確認し一度目の肥をやり、先端が棚線に到達するまで2週間に一度、化成肥料を軽く一握りづつ与えます。

幼木は乾燥を嫌いますので、土表面が乾いたなと思えば灌水を行うようにします。

一番勢いの良い新梢をメインの主幹候補枝として1本伸ばし、それより先に有る枝はかき取り元の枝は捻枝してメインより伸び難くし、スペアの主幹候補枝とします。

6月下旬にようやく棚線まで到達しました。

棚線に到達しましたら肥を与えるのはストップします。

ここからは肥で無理に伸ばすと間伸びして節間が長くなりますし、肥の力で無理に伸ばした苗木は充実も悪くなり、将来的に良い木に成長しません。

一年目の育成は、将来的に良い木になるかどうかの一番のポイントになると思いますので、慎重に行います。

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苗木定植後棚線まで後1/2程度まで伸びたアレキ

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6月下旬にようやく棚線に到達しました。

WH型整枝で育成して行きます。

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棚線から下に約30cmで摘心します。

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なるべく勢いの揃った副梢を主枝候補枝とし、2本左右に伸ばして行きます。

とりあえずは上から左右各2本づつ副梢を残し、伸ばして行きます。

伸ばす副梢以外の副梢は、葉2枚をそれぞれ残して摘心します。

巻き蔓なども余計に養分を食いますので、見付けたら都度切除します。

ここまで来れば一安心なので、念のためスペアに残しておいた新梢はかき取ります。

これで先ずは主幹の完成と言う訳です。

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クイーンニーナ2本は一文字で育成しますので、そのまま伸ばし続けます。

雨除けにビニールをフラットに張っていますので、ビニールに先が当たって折れないように、暫く日々確認し先を移動させ、横線に誘引出来る長さになりましたら、早めに緩やかに誘引し、主枝線に向かってさらに伸ばして行きます。

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アレキ

少し離れてしまいますが、向かって右に4本残した副梢のうち一番先の副梢を、向かって左に一番元の副梢を伸ばす事にしました。

残り2本は折れた時のスペアとして、もう暫く残しておきます。

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アレキ

メインの主枝候補枝が決まったら綺麗に伸ばして行く為に、各々誘引線を施します。

私は被覆線を使用しています。

伸ばして行く角度はお好みでしょうが、あまり角度を緩やかにすると、将来主枝が太くなった時に作業の邪魔になりそうなので、私は程良く鋭角になるように誘引線を横線に繋ぎ止めます。

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誘引出来る長さになりましたら、テープナーで誘引しておきます。

②に続きます。