Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

育成若木の剪定 その1

寒の戻りも過ぎ去りもうすぐ春本番となりそうですので、育成若木の剪定を行う事にしました。

私の記録によれば昨年は2月28日に行ったのですが、この異常な暖冬の中、発芽が早まる恐れが有りますので、一週間早める事にしました。

私はまだまだ経験の浅い新米ぶどう生産者ですので、育成若木の剪定には自信が無い為、午前中に普及所の指導員さんに来ていただき、全圃場を1本1本一緒に巡回して切り戻す位置を確認していただきました。

指導員さん長い時間、本当にありがとうございました😊。

この場をお借りして改めてお礼を・・・、非常に助かりました。

巡回が午前中一杯掛かりましたので、剪定作業は午後からになってしまいましたが、巡回時に剪定位置をマーキングしておきましたので、後は切り込むだけや〜、一気に全部切って行くぞー💪!と意気込んで臨んで見たものの結果、残念ながら圃場1を終了した時点でタイムアウトとなってしまいました。

ぶどうの作業はどの作業でも行う度に思うのですが、自分で予想した作業時間と実際の作業時間が伴ないませんねえ😭、私の場合だいたい3〜4倍くらいは余分に見ておかないとダメみたいです。

今まで色々な仕事をして来ましたが、どの仕事でもスピードには自信が有り、あまり他人にも負ける事が無かったのですが・・・、少しぶどうの作業を安易に考え過ぎでしょうか・・・。

さて、基本的には昨シーズン伸ばした枝を18節で切り戻して行くのですが、芽の状態が悪い場合や、伸ばした枝に極端な成育差があった場合などはこの限りでは無く、状況に合わせて少し短く切り戻したりします。

ぶどうはその性質上、短く剪定する程強く勢い良く成長しようとするので、少し長めに伸ばして剪定時に切り戻した方が良いのですが、どうやら私は節の数え方を誤っていたみたいで、早い目に摘心して延長枝を短か目に止めていたようです。

なので、ほぼ全ての若木がギリギリで、先端一節程度の切り戻しとなってしまいました。

亜主枝を形成後、枝を分岐させずに延長した場合は延長開始箇所から正味18節を数えますが、一年目のYの字形成時や主枝から亜主枝の振り分け時には必ず分岐点が発生します。

そう言う場合は、延長開始箇所から分岐点までを半数として勘定し、分岐点から先はその半数から通常に勘定をしていくそうです。

例えば、延長開始箇所から分岐点まで10節だったとすると分岐点までは5節とし、分岐点からは6節7節・・・と18節まで勘定して行く訳ですねえ。

全くもって勉強不足でした。

まだまだ知らない事が沢山有りそうです。

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今シーズン3年生のシャインマスカットWH整枝です。

一昨年の一年目もそれなりに勢い良く伸びていたのですが、残念ながら水災に遭って先端がほぼ全て飛び、その後の成育は不調に終わりました。

なので、昨年の剪定時には指導員さんのアドバイスの下、思い切って棚下Y字部まで切り戻しました。

そのせいかどうか、昨シーズンは鬱憤を晴らすかのように良く伸び、通常7月下旬〜8月上旬に摘芯して枝の伸びを止めるのですが、6月の中旬〜下旬くらいにはほぼ摘芯を終えていました。

実際には少し短かったようですが・・・。

おまけに主幹、主枝、亜主枝共に太り過ぎてしまったようです。

通常は3色ボールペンの太さぐらいで真円が成育充実良好の指標となりますが、私の木はその1.5倍程有り明らかに太り過ぎで、さらに扁平となってしまいました。

太り過ぎは不発芽の原因となり易い為、しっかりと芽キズ処理とメリット塗布を行わなければなりません。

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内側亜主枝の分岐部です。

ちゃんと2芽開けて、返しが出来ています。

WH型整枝ではどうしても、外側の亜主枝が内側の亜主枝に負けて成長が悪くなりますのでその調整の為、棚線を通過してから副梢を株元に戻して、棚線に沿うように誘引して行きます。

2芽開けるのは、成長につれ主枝が当然もっともっと太くなる訳で、その際お互いが近づき過ぎてお互いを締めてしまうのを防ぐ為です。

伸長中に返すのは難しく(真逆に曲ながら伸ばして行く為、かなり徐々に曲げていかないとすぐに折れて欠損してしいます)、副々梢で伸ばし直した木や、伸ばし直しがきかず欠損した木も少し有ります。

木質化してから返して行く方が安全でしょうが、芽の向きがおかしくなりそうなので、私は伸長時に行って、棚線からの延長枝の芽がなるべく左右に向くようにしています。

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外側の亜主枝は車枝で普通に分岐します。

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左側は写っていませんが、右側のポッコリ膨らんだ部分が昨シーズンの伸長スタート部です。

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主枝から亜主枝への分岐部です。

スタート部からこの分岐部までは半数で勘定します。

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分岐部からは通常に数えてトータル18節残すので、19節目の切断予定箇所にホワイトペンでマーキングしています、

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犠牲芽剪定の為、19節の芽の有る節の真上を剪定バサミで切断します。

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棚線に沿わせた亜主枝部は、通常通り左右に新梢を誘引しますので基底芽を残し、1芽目を犠牲芽剪定します。

指導員さんには、県北の寒い地域では無いので枯れ込む心配は無いから犠牲芽剪定せず基部から切るように指導されましたが(発芽し、伸長するのる時に邪魔になる為)、心配性の私としてはまず1芽で犠牲芽剪定し、発芽後枝が伸び出して来てから再び切る2段階で行こうと思います。

恐らくその頃には忘れているかもしれませんが・・・、確か昨年も若い方の成木のシャインでそままにしていたような・・。

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この辺りの芽は100%使用しませんので、基部から切除してえおきます。

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最後に亜主枝の吊り紐を解き、先端に向かう程下に下がるように、亜主枝の先を下げておきます。

これもぶどうの特性ですが、養分が先へ先へとどんどん送られて行き、先端の2芽くらいにばかり養分が行き届き、それより基部側にある芽が発芽し難くなります。

なので先を下げて、基部側の芽にも養分が行き届き、発芽し易くします。

可笑しい事に、ぶどうの養分は登って行くのが好きなようで、上に向く程養分が先へ向かおうとします。

山の斜面に植え付けした場合など、登り側の枝ばかり強勢となり、下り側の枝は負けて弱勢になってしまうと言う現象が起きます。

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今シーズン2年目の瀬戸ジャイアンツ、トリプルH型整枝です。

根元辺りがスタートなので、分岐部は2箇所有ります。

それぞれ半数勘定して通常18節ですが、成育が良く有りませんでしたので、車枝に分けた箇所の程良い芽の位置の所まで、短か目に切り戻しました。

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今シーズン3年目のロザリオビアンコH型整枝です。

H型なので一昨年の伸長時に分岐済で、昨年は分岐していませんので、スタート位置から正味18節残して切り戻します。

ロザはかなり伸ばしたので、全体の1/3くらい切除し、切り詰めました。

後はシャインに同じくです。

と言う訳で、シャイン10本、ロザ3本、瀬戸2本の育成若木の剪定は終了です。

残りの圃場分は又後日と言う事で・・・、とっととズラかる事と致しました👋。