Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

粒間引き(摘粒)荒間引き

一回目のジベ処理後、そろそろ粒も大きくなりだしましたので、粒間引き(荒間引き)を行いたいと思います。

全ての粒をそのまま残してしまいますと、房の中で粒がパンパンに詰まってしまい、房の中に粒が入り込んでしまったり、粒同士が押し合って粒が潰れてしまったり、粒の大小が目立つ粒

揃いの悪い不良房になったり、粒が太らなかったり、ちゃんと養分が回らず糖がのらなかったりと良い事は一つも有りません。

なので粒を間引いて適正な粒数にし、より良質な生産物になるようぶどうを導きます。

肩部、胴部、先部の3分割で考えて粒の向きを見て、それぞれ適切な粒を残します。

肩部は肩の巻きを良くする為、上向き粒横向き粒を残して、下向き粒を中心に除去していきます。

無論内向き粒は論外です。

残す粒数の目安は一車あたり5〜6粒くらいでしょうか。

少し混み合うかなあくらいになるべく多い目に残して、下から順に押し上げられて肩が巻く事を期待します。

シャインやロザ以外は(ロザは元々小果梗の極端に長い品種で肩は巻きません)上向き粒が無くても下からの押し上げで割と肩が巻いてくるのですが、シャインは何故か混み合ってきてもなかなか押し上げてくれないので、なかなか肩が巻き難いのが悩みの種です。

なので上向き粒が有れば、仕上げ適粒まで除去せず全て残しておきましす。

オーロラなどは小果梗が特に短いので、肩部の車ごと果軸から裂ける程に押し上げられるのですが・・・、それはそれで困り物ですが。

胴部は横向き粒を中心に各車に3粒程度残して、下向き上向きを切除します。

先部は下向きを3粒程残します。

先ず手始めに極端な上記の粒を片っ端からチョキチョキと切り落として行き、ある程度減った所で次に粒の大小、小果梗の長さ、異形粒の有無を見ます。

極端な大きな粒や小さな粒を残すと粒揃いが悪くなり、房型が良くても綺麗に見えません。

なるべく房全体の粒の大きさを揃えてやります。

小果軸(粒の軸)の長短は房の表面を凸凹にし、これも又房が綺麗に見えません。

短い物は凹み、最悪は中に入り込む可能性もあります。

逆に長い物は当然はみ出します。

あとは異形粒ですね。

ピオーネやオーロラに良く見られますが、偏平に潰れたような粒やニコイチの❤️型や楕円で少し先が尖ったような粒です。

優先順位は房型や車数や粒の付き具合などによって必ずしも理想通りにはなりませんのでケースバイケースですが・・・、と言いますか、理想通りに事が運ぶ方が稀ですね😂。

と、カッコ付けてはいますが、かなり行き当たりばったりです。

昨年も私が満足出来た房は一房だけでした。

その房は査定会に出し、あと肩の粒が一つ有れば特秀と言う自分で言うのも何ですが、正に図鑑に載っているような逸品でした。 

査定会では糖度測定で粒を抜かれる為売り物にならず、その後お裾分けとしてお世話になった方々の胃の中に消えて行きました。

食べれば、どんな房型でも皆同じなんですがねー・・・。

その他は程々、そこそこと言った所でしょうか・・・。

まだまだ前途多難なようです💦!

ロザは又時間が有れば、記事にしたいと思いますが、粒数が極端に多く車の軸と小果梗が極端に長い為、粒が全て垂れ下がって来ますので、蝶切りで粒数を一気に減らしてから、粒の大きさを揃えてチョキチョキ切り込むだけの簡単な作業になります。

あまり深く考える必要も有りませんので非常に楽です。

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オーロラブラック、ジベ処理後約4日後摘粒前

オーロラはピオーネに比べてデカくなるのが早いような💦。

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摘粒後、多いでしょうか?少ないでしょうか?

一応荒摘粒後の粒数の目安は35〜40粒ですが、房の大きさや車数によっても違うでしょうし、何より面倒なのでいちいち数えてはいられません。

私は粒数を数えるのが苦手です。

すぐに何処まで数えてたか分からなくなってしまいます。

直感のみで行います。

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同じくオーロラ別の房、粒がギッシリです。

実止まり良過ぎですね、適度に振るってくれれば良いのですが、なかなか人間の都合良く楽はさせてくれません。

それにしても例年に比べて今年は粒数が多いような・・・、気のせいでしょいか😢。

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同じく摘粒後

粒がさらに肥大した頃に様子を見て再摘粒し、混み合い出したら仕上げ摘粒して袋を掛けます。

オーロラは小果梗が短く硬いので玉直しは無理かと思いますので、その後はどうか良い房になりますようにと🙏して運を天に任せます。

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オーロラのニコイチ異形粒です。

❤️型になるのでしょうか?

お子さんや女の子なら可愛いー😍!となるでしょうが、オッサンの私にすればただの異形粒、早いうちに切り離せば一つの粒として復活すると聞いた事が有りますので、切り離して放置してみます。

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筋の入ったカボチャの様な粒、扁平の変な大粒になりますので切除します。

粒が少なく向きが良ければ残す事も有りますが、基本的には抜いてしまいます。

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シャインマスカット、ジベ処理後約一週間の間引き前。

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同じく間引き後、シャインは気を使って丁寧に行うので時間が掛かります。

今は成木2本なので良いですが、いずれは22本に・・・良い木を選抜し、丁寧に良い房を作る木と、ザックリ行う木に分けなくてはいけないでしょうねえ。

全てをこのペースで行うと、頭にライトを付けて24時間働いても間に合わ無いかもしれません💦、私もそこまで若くは有りません。

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同じく別の房、間引き前。

肩は巻いてくれるでしょうか?

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間引き後、少しでも肩の巻きを良くする為、肩の粒は下向き以外ほぼ全て残します。

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粒間引きを行いながら副梢管理もして行きます。

まだ元の副々梢はあまり吹いてきていませをが、先はボチボチ伸びだして来ています。

強摘心している為葉面積を稼ぐのに、先に2枚残した副梢から出た副々梢はそれぞれ葉を1枚ずつ残して摘心していきます。

その他の副々梢は様子を見て適当に葉を残していきます。

不要な副々梢は伸び出す前に摘んでおきます。

特にシャインは満開2週間頃までは徹底して副梢管理を実施します。

その後、果粒軟化期までは先端の副梢のみ軽く管理し、軟化期を過ぎたら又徹底管理します。

オーロラとピオーネは満開2週間〜軟化期までは枝管理せず、先端の副梢を伸ばします。

ロザは枝管理するとキリが有りませんので、邪魔にならない程度に適当に行います。