新梢の誘引と予備整形
この時期のぶどうの成長は速く、逐日ぐんぐん成長します。
作業は遅れないようにしないといけません。
ぶどう栽培は一つ作業が遅れだすと手間が倍増し、後々の作業が日増しに遅れリカバリー出来なくなってしまいます。
まあ私の圃場は成木が少ないので遅れる事は有りませんが、油断せず将来を見越して早め早めに作業を行っていきます。
という訳で、トンネルメッシュの天井に達するくらいの長さに伸びた枝から捻枝と誘引をしていきます。
捻枝とはその名の通り枝を捻る作業で、勢いが強く伸びの良い新梢のなるべく基部(2節目か3節目)の節をブチっと音又は感触がする所まで捻り、強い枝の勢いを抑え遅れた枝の伸長を促進させます。
それともう一つ特にピオーネは新梢の根元、亜主枝との接合部分の付着が弱く、そのまま誘引するとかなりの確率で新梢が根元から折れてしまいます。
又他品種で枝が強い場合でも上芽や下芽など新梢の角度の悪い物は、無理に誘引すると根元が折れてしまいます。
なので折れる可能性の有りそうな枝は予め捻枝してから誘引します。
本来は捻枝と誘引との間は数時間開けなければいけませんが、私は面倒なので捻枝直後に誘引を行います。
誘引が完了しましたら、折れた時の為に残しておいた呼びの枝を掻き取ります。
又誘引が終わった物から順に花穂の予備整形と巻き蔓や枝先端の二股分岐などの不要な物を除去し、余計な養分を消費しないようにします。
誘引作業に必要な道具を用意します。
愛用4シーズン目のMAXのテープナーHT-Rです。
旧タイプに比べて格段に使い易くなっていますので、ストレス無く作業が捗ります。
テープはノーマルタイプの倍額しますが、光分解タイプ(ピンクの大粒ぶどう用)を使用しています。
10巻箱30個入りで購入1ケースで購入すると結構お得です。
これだけ有ると当分買わなくて済みそうです。
優れ物で6〜10ヵ月保持を持続し、その後太陽光で分解されて消滅します。
ノーマルタイプのようにゴミを出す事も無く、気持ち良くシーズンを終える事が出来ます。
後はステープルです。
略々ホッチキスの芯で、これでテープを巻き付け固定します。
テープをセットします。
蓋をちゃんとパチンと音がするまで閉めないと、作業中に転がり落ちて巻き戻すのが非常に面倒です。
せっかちな私は急いでいてよくやってしまいます。
ホルダーを引き出しステープルを挿入し、ホルダーを押し込み準備完了です。
旧タイプはホルダーが完全に本体から外れてしまうので、雑草がある所に落としてしまうと探すのが大変です。
まだ全ての新梢の誘引には早いので、先端がトンネルメッシュに張ったビニールにつっかえた枝のみ誘引して行きます。
この状態で放置しておき、さらに伸び続けると先端が容易く折れてしまい、予期せず早期に摘心してしまう事になってしまいます。
一節目と二節目の間を捻枝しますので、右手指先で二節目、左手指先で一節目を持ち雑巾を絞るようにクィッと捻ります。
真っ直ぐに誘引する場合は左右どちらでもかまいませんが(私は房が下に向く方向に捻ります)、ずらす場合は向けたい方向に向くように捻ります。
くれぐれも根元がブレないように注意し(まだ今の時期くらいだと、枝の比較的強いシャインなどでも折れてしまいます)、プチッと音が鳴る又はその感触が有る所まで捻ります。
翌日くらいに捻枝した個所を見ると割れて変色していますが、問題は有りません。
たまにやり過ぎて完全に折れ曲がっても、根元以外は首の皮一枚くらい繋がっていれば助かる事が有りますので、思い切って行います。
撮影のために右手画像と左手画像に分かれていますが、勿論同時に持ちます。
左手はそのまま一節目を押さえたまま、これ又根元がブレないように枝を誘引線まで引き下ろしてテープナーで枝を止めます。
シャインは枝先10cmくらいがかなりフニャフニャなので、しっかりした所が固定出来ない場合はもう少し伸びるまで固定しないで放置します。
固定が終わったら巻き蔓と先端が二股に分岐している物は弱そうな方を切除します。
続いて花穂の予備整形を行います。
上部にジベの為の目印を一車残して、房作り(花穂整形)で100%使用しない車を落としておきます。
シャインの花穂です。
先が二股になっていますねえ。
シャインは何故か先端が二股や団子になっている型の悪い花穂が多く出来てしまいます😢。
後々修正可能ですが、元々型が良いに越した事はないですから・・・。
このような全く使い物にならない花穂しか無い枝や、極端に弱く生育の悪い枝は花穂を全て落として空枝にします。
最終的な着房量の基準値は新梢3本に2房もしくは亜主枝1m間に6房ですが、私は基準値より着房制限をしますので、かまわず要らない物はバシバシ落とします。
分かってはいても人間ですので、成熟して行き完成に近づくほどに惜しむ心がメキメキ頭を擡げて房を落とす事を躊躇してしまいますので、早い目に除去しておいた方が後々気が楽です。
枝と枝の間隔が概ね15cmから20cmくらいになるように配置して行きます。
基本1芽座1新梢でこのように配置して行けるのが理想ですが、なかなかそう上手くは行きませんねえ。
因みに私の手幅はぴったり20cmです。
ほぼ理想的な配置になりました。
この状態ですと葉っぱが大きくなりもっと生い茂っても葉っぱ同士が重ならず、葉っぱ全部に日光が当たりよりスムーズに光合成を行わせる事が出来ます。
今春新植したアレキが伸び出しました。
棚面に到達するまで、2週おきに化成肥料を軽く一握りずつやって行きます。
さてアレキの露地栽培は上手く行くでしょうか?
4年後が楽しみな今日この頃です☺️。