防風ネット設置
トンネルメッシュも3列張り終えましたので、防風ネットの設置を行いました。
以前は3つの圃場共、四方に防風ネットを設置していたのですが、あまり効果が感じられないのと、色々と作業の妨げになるので撤去していました。
今回は棚を新設している圃場の、西側のみに設置する事にしました。
理由は二つあるのですが、一つ目は西側のお隣りさんに迷惑を掛けない為で、西隣りさんは菊の花を生産されているのですが、その菊にこちらの農薬が飛散するのを防止する為です。
ぶどうにとってどうしても外せない重要な農薬散布でICボルドー66Dと言うのが有り、通常7月の中旬と8月の上旬に2回行うのですが、このボルドーと言う農薬はきつい青色で、しかもちゃんと葉に付着するように粘度が高く出来ていて、一旦付着すると水で洗ったぐらいでは除去出来ません。
昨シーズン何も考えずに一回目を実施した所、一番手前の列のみ収穫前の菊の葉が見事にブルーに染まってしまいました。
日頃仲良くさせて頂いていますので、謝罪だけで事なきを得ましたが、非常に心苦しい思いをしました。
昨シーズンは、まだこの圃場のみネットを残していたのですが、30年7月豪雨でタルタルになって、お隣りさんの圃場にはみ出し迷惑をお掛けしているので、一部まくり上げて固定していました。
丁度そのまくり上げていた部分だけ飛散していました。
もう一つの理由は、棚の向きに有ります。
ぶどう棚は縦方向からの風には割りに強いのですが、横方向からの風には非常に弱く、強い風が吹くとバッサバッサと怖いくらいに揺れ動きます。
他の二つの圃場は、縦が東西を向いていて大丈夫なのですが、この圃場は南北に向いますので風の影響をかなり強く受けます。
昨年もそのせいで、2年生の延長枝が何回も途中で折れてしまいました。
ここは川っぺりの為か風が強く、特に春先ビニールを張る頃に強い西風がよく吹きます。
その対策にも一役買ってくれるものと思い、西側のみ防風ネットを設置する事にしました。
以前使用していた48.6φ×3mの単管パイプを再使用します。
周囲柱一つ飛ばしで取り付けていきますので、全部で12本使用します。
下から30cmを地中に埋める為、計測してマーキングしておきます。
以前は周囲柱に固定していたのですが、棚のメンテナンス時に作業の妨げになるので、今回は周囲柱直近の周囲線に固定します。
水平器を取り付け、上側を周囲線の取り付け箇所に沿わせて、下側を移動させて大体垂直を出し位置決めします。
位置が決まればそのままパイプをグリグリして、マーキングします。
正式名称は分かりませんが、50mmの穴掘り機で穴を開けて行きます。
便利な物で、右回転でねじ込んで行くと綺麗に50mmの穴を開ける事が出来ます。
パイプを穴に差し込んで下側を仮固定します。
以前は周囲柱に針金で固定していましたが、折角棚も新設するので、ここはスマートにステンレス製のU字ボルトとプレートで固定します。
何か良い取り付け方法は無いかと模索していた時に、ネットで見つけて即買いしました。
合わせてみた所、ネジ切りしていない所が長過ぎて固定出来そうに有りません。
本来は単管パイプ同士を固定する物なので仕方有りませんね。
急遽ホームセンターへ走り、ワンサイズ大きいM10のナットを(U字ボルトはM8です)購入し、スペーサー替わりにしました。
ついでにSPワッシャーも購入し、緩み防止にナットとスペーサーナットの間に入れました。
こんな感じでサクサクっと、12本取り付け完了です。
両端のみ今一しっくりこないので、位置を変更し周囲柱に針金で、引き下げ線にU字ボルトで固定しました。
次に、ネットを取り付ける為の番線を張って行きます。
上の画像は張線機付きの単管クランプです。
ラチェット構造の巻き取り機で、番線を巻き取りピンっと張る事が出来ます。
以前は苦労して手力で張っても少し弛んでいましたが、これでバッチリです。
片側の一番端のみ一つ取り付けます。
下側の画像は垂木留めクランプ(平行固定)です。
残り11本に取り付け、垂木留めステーの穴に番線を通して、番線を保持します。
通常ホームセンター等では、直行固定タイプ(画像とステー部が90度ずれているタイプ)と、自在タイプ(ステー部が360度回転するタイプ)しか売っていないので以前は平行固定が存在するとは知らずに、扱い難いですが自在タイプを使用していました。
直行固定は全く使えません。
二点共ネットであれこれ物色し、やっと見つけて即買いしました。
草刈り等作業の妨げにならないように下側を50cm開けたいので、上端から20cm測りマーキングし各クランプを取り付けます。
#12の半鋼線を必要分切り出して、引き出して行けるようにぶら下げます。
番線の巻きを回転させながら引き出して行き、各柱の垂木留めクランプ穴に番線を通して行きます。
端まで到達したら、括り付けて固定します。
番線のスタート部を張線機の穴に通し、ラチェットを巻き上げて番線を巻き取り、張り込んで行きます。
番線を張って行くと、両端の柱がその力で倒れて来るので、ある程度張った時点でアンカー線を付け、力を相殺して柱が寄るのを防ぎます。
少し遅かったので、最終の柱が内側に少し寄ってしまいました。
再度張り増ししてワイヤー張りは完了です。
結構ピンピンに張る事が出来ました。
いよいよ防風ネットを張って行きます。
サイズは2m×50m 4mm目を使用します。
上側をワイヤーに沿って、端からインシュロックで留めて行きます。
余りの部分はカットします。
耐候100mmのインシュロックを300本使用しました。
上中下、3ヶ所にロープが通してあるので抜けないように、端を団子に結んでおきます。
横の端は柱に巻き付けて、数ヶ所インシュロックで固定します。
上側を柱1スパン留め終えたら、真ん中と下を留めて行きます。
上はワイヤーに沿っていますのであまり張りませんが、真ん中と下は途中でロープを引き出してピンっと張ってから、それぞれアンカー線にインシュロックで固定します。
下は捲れ上がるのを防ぐよう、念の為柱にも固定しておきます。
1スパン張り終えると、こんな感じになります。
同じように1スパンづつ繰り返して留めて行きます。
一枚50m張り終えて、残念ながら少し寸足らずになってしまいました。
とりあえずロープを柱に括り付けておいて、切り売りの防風ネットを買いに、ホームセンターへ走りました。
切り売り分を継ぎ足して作業完了です。
綺麗に張る事が出来ました。
最後に、以前使用していたパッチンを両端にはめ込んで、より強固にしておきました。
さらのネットは鮮やかで、非常に気持ちが良いです☺️。