Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

ぶどうスプリンクラー 施工 その1

本日、待望のスプリンクラー の設置工事を行って頂きました。

実施した圃場は、圃場その2(圃場面積約一反)です。

この圃場には現在、成木シャインマスカット2本、成木オーロラブラック1本、昨春新植しましたピオーネ3本、オーロラブラック2本、クイーンニーナ2本、圃場その1より移植しましたシャインマスカット(今年3年目)1本の計11本が有り、今春新植予定のクイーンニーナ2本と合わせて、13本分のスプリンクラー を設置します。

スプリンクラー と言っても、地中に配管を埋め込んでいるような本格的な物では無く、棚に配管を通して吊り下げるマイクロスプリンクラー タイプです。

前者ではかなり工事が大掛かりになり、又かなり水量の有る水源を必要としますので、果樹栽培等では現在後者のタイプ、もしくは地上にチューブを這わせる点滴チューブが主流のようです。

私は現在3つの圃場を借地して、それぞれにぶどうを作付けしています。

スプリンクラー に対する知識を全く持ち合わせて無かった為、最初は3つの圃場全てを専門業者さんにお任せしようと考えていたのですが、見積もり打ち合わせ時に、業者さんの方からそんなに難しく無いので、教えてあげるからご自分で行った方が、施工費が掛からなくて安く上がりますよとの提案を頂いたので、1圃場の施工を業者さんにお願いしその折に教えて頂き、残り2圃場を自分で施工する事にしました。

3つの圃場の内、この圃場のみ木の植え付け位置の列が縦にも横にも揃っておらず、一番複雑になりそうなので、この圃場のみ作業して頂く事にしました。

予報で今日は曇りのち雨、作業完了まで天気が持ってくれれば良いのですが。

9時に業者さんが2名やって来て、資材を降し作業が始まりました。

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棚工事の資材とは違い、メインのポリパイ以外はコンパクトにまとまっています。

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先ずはメインの水路を確保する為、40mmのポリパイプを通し、周囲線にインシュロックで各所固定して行きます。

50m巻きで少し硬いので、自分で行う時は取り回しに少し苦労しそうな予感がします。

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次にサブ水路を2本確保する為、25mmのポリパイプ通しますが、主枝の上を潜らせて横線に固定する為、妨げになる主枝をさげておきます。

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分岐アダプターの穴に裏からOリングを取り付け、メインチューブに固定し、メインチューブに穴を開けて通路を確保します。

対面を傷付けたり、ましてや貫通させたりしないよう、注意が必要なようです。

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程良い所でメインチューブを切断し、ディスクフィルターを取り付けます。

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メインチューブの分岐アダプターに25mmの接続アダプターを取り付けて、サブチューブを取り付けます。

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サブチューブを棚線にインシュロックで固定して行きます。

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メインチューブに2inのカップリングをアダプターを介して取り付け、エンジンポンプに接続します。

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メインチューブにエンドキャップを取り付けて、メインチューブを塞ぎます。

ポンプで水を流して、中に入り込んだ切り屑を流し出します。

一応マイクロチューブ取り付け穴からも水が出るのを確認します。

良ければ、サブチューブもエンドキャップで塞ぎます。

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作業順序が前後しましたが、水を通す前にパンチでサブチューブにマイクロチューブを取り付ける穴を開けます。

どちらでも良いのですが、水を通してから穴を開けると、パンチで穴を開けた瞬間に水が出て来て濡れてしまいます。

今回は木1本につき、2つスプリンクラーを設置しますので、ストレートで落とす事の出来る箇所は、株元からそれぞれ2m離れた位置のサブチューブの下側に取り付け穴を開けます。

スプリンクラー を増やす程、1つのスプリンクラー から吐出される水量は減りますが、より広範囲に灌水する事が出来ます。

このスプリンクラーの散水範囲は、標準値で半径2mですので、1つで賄う場合は株元に吊るします。

実際の散水量や散水範囲は、水源の水量、ポンプ性能、配管の全長、配管の取り回し、ポンプからの距離等様々な要因で変化しますので、机上の計算では弾き出せず、実際設置して散水して見なければ分かりません。

後から変更も可能ですので、一応広散水範囲を選択して2つ仕様にしました。

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サブチューブからズレている箇所は、マイクロチューブで分岐延長し、棚線を這わせて株元2mに2つ落としますので、距離を測定してサブチューブの程良い場所の側面にパンチし穴を開けます。

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測定値より各マイクロチューブを切り出し、両端にコネクターのオンタ、メンタをそれぞれ取り付けます。

チューブをバーナーで炙って、柔軟性を持たせてからコネクターをはめ込みます。

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スプリンクラー チューブは、マイクロチューブにコネクターとスタビライザー、バランスウェイトが組み込まれたメーカー出来合いの物を使用します。

ストレートの箇所はそのまま、パンチで下側に開けた穴に差し込み取り付けます。

それぞれの接続部にはシールも入っていませんし、又各所シーリングも施しませんが、不思議な事に全く水漏れなどは起こしません。

どの位かは分かりませんが、入水量と出水量から考えてもある程度の水圧が掛かっていると思うのですが。 

チューブの長さ等好みが有れば作成しても良いのですが、当然こちらの方が手っ取り早いです。

スプリンクラー の地上高を低くするのなら作り直さなければなりませんが、高くする分にはチューブを手繰って固定すれば高くなります。

高くすればより散水範囲は広がりますし、低くすればより狭めて集中させる事が出来ます。

これも様々な要因にて変化しますので、実際に散水してから検討する事にします。

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サブチューブからズレている箇所は、測って切り出したマイクロチューブを棚線に沿って這わせてスプリンクラー を落とす場所まで延長し、スプリンクラー チューブを取り付けます。

這わせた延長チューブはインシュロックで固定します。

もう一息ですが、ポツポツと雨が降り始めたようです。

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全てのスプリンクラー チューブを取り付けたらいよいよ最終、それぞれのスプリンクラーチューブにスプリンクラー ヘッドを取り付けて、作業は完了です。

因みにスプリンクラーヘッドは、ネタフィムジャパン製のスピンネットモデル200を使用しています。

テクニカルデータは、私が見ても良く分かりませんので割愛します。

気になる方は調べてみて下さい。

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いよいよ初散水スタートの時間になりました。

雨がだんだん強くなりつつ有りますので、急がなければなりません。

ポンプを始動し、水がそれぞれ到達し水圧が上がるまて息を呑み見守ります。

1〜2分位後でしょうか、徐々にスプリンクラー が回り出し散水を始めました。

スプリンクラー にはタイムラグが有るようです。

何枚か撮影しましたが、画像では分かりづらいですね、一応全開で回っています。

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数分しか散水しておらず、雨で地面も湿気てきましたのでハッキリとは分かりませんが、どうも予想より水量も足りず、散水範囲の位置も今一のような気がします。

出来れば株元から2m当たりの、一番水分や養分の吸収の良い根が集まっている場所に散水が集中するように、試行錯誤しないといけないかもしれません。

晴天が続いて、土が乾燥している時に再度散水して、散水状況を確認したいと思います。

何はともあれ、何とか無事に本降りになる前に完成し、安心しました。

13時過ぎ、丁度後片付けが終わる頃、本降りになりだしましたので、業者さんにお礼を言って見送り本日の作業は終了としました。

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昨年の夏から井戸を使用していませんので、念の為ディスクフィルターの圧力を抜いてから取り外し確認した所、ケース内に土砂が大量に溜まっていました。

この辺にも、散水量不足の要因の一端が有るのかも知れません。

暫く使用する内にましになるかとは思いますが・・・、一先ずフィルターとケースを持ち帰り洗浄したいと思います。