Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

ユンボについてその②

続いてユンボの操作編です。

走行操作は全て同じですが、ユンボの作業操作にはメーカーにより4種類の操作パターンが存在します。

主に使用されているのはこの内2パターンですので、残り2パターンは割愛します。

主の2パターンは、横旋回(JIS式)(ISO式)と縦旋回(コマツ式)です。

大半の機種は何らかの操作により、2パターンを切り替えて双方のパターンで作業が出来るようになっていますが、現在はJIS規格により新車出荷時は横旋回にセットされて出荷されているようです。

又、教習所でも横旋回で実技講習を行います。

人それぞれ好みもあるのでしょうが、人間工学の観点からしても、横旋回パターンが一番スムーズに作業が行えると思うのですが、コマツ、日立、住友、キャタピラー などが何故縦旋回を採用したのか謎ですね。

因みに、私のユンボも縦横切り替え可能です。

切り替え部が故障していて現在は切り替え不可ですが、横旋回状態で固定されていますので良かったものの、前使用者さんが縦旋回好みの方だったら大変でした。

横旋回を採用している主なメーカーは、クボタ、ヤンマー 、IHIなどで、少数2パターンはそれぞれ古河工業などと三菱重工などです。

とは言え初心者の間は、どっちの操作レバーをどう操作すると、どう作動するかと考え確認しながら作業してしまいがちですが、慣れて来ると体が自然に覚えてしまいますのて、操作パターンなどは忘れてしまいます。

私も今となっては、確認しないと操作パターンが分かりません。

又、一つ一つ動かしていてはスムーズに作業を行えませんし、作業スピードも落ちてしまいますので複合的に操作します。

なので慣れてしまえば、どちらでも同じかとも思います。 

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ユンボは盗難が非常に多いみたいなので、使用しない時は圃場でも倉庫でも、気休めに左右のクローラーにU字ロックを掛けて、目立たないようにブルーシートで覆っておきます。

この辺りでも、以前トラクターなどの盗難が相次いだ事があったらしいので、要注意です。

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盗難の一つの要因にキーが有ると思うのですが、大体同メーカーで同年代の重機は全てキーが共通品です💦。

現在はセキュリティ向上の観点から当然キーはそれぞれ別個で、各社イモビや警報装置等でセキュリティ強化を図っているようです。

元々スペアキーが有りませんでしたので、鍵屋さんに作って貰いに行くと、特殊キーの為ブランクキーが無いので作成不可との事・・・。

キーが大体共通なのは教習所でも聞いていましたので、ネットオークションでヤンマー ユンボ キーで検索・・・、有るは有るは全く同じキーが多数出品されていました💦。

届いたキーを試してみると、全く何の抵抗も無く・・・、他メーカーも古い物は同様だと思わされます。

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燃料が減ったからと言って、給油に行く訳にはいきませんので、軽油用の携行ポリタンクに軽油を給油して置いておきます。

ガソリンは揮発性が高く非常に引火し易い為、金属製の携行缶で無ければ給油不可ですが、軽油は灯油に同じく引火の危険性は低いので、ポリタンクに給油可能です。

尚、ディーゼルE/gを灯油で動作させる事は可能ですが、脱税で法律に抵触しますし、当然故障の原因にもなりますのでやめましょう!

私のユンボは何故か、厳寒期に燃料残を中途にしているとE/g不調に陥りますので、厳寒期の作業終了後は燃料を満タンにしておきます。

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何はともあれ先ずはE/gを始動します。

キーを指し、右に一段でIGN ON、何の為か分かりませんが、E/g停止時にONにするとピーっと警報音が鳴り響きます。

数秒この状態を保ちグロー(予熱装置)を焚きます。

ディーゼルE/gは圧縮点火で、ガソリンE/gのように火花点火では無く、高圧縮で吸入空気を高温にし、そこに軽油を高圧噴射する事により自己着火を誘発させますので、予め燃焼室を温めてやらないと、特に寒い時期はE/gが始動しません。

車も同様で、キーON後インジケーターランプ が消灯(黄色のランプ でバネのようなマーク)してからセルを回します。

取説が無いので分かりませんが、左にキーを回しても同じ状態になり、もしかすると左がグローなのかも知れませんが、厳寒期でもON放置ですんなり始動しますので、どちらでも良いのかも知れません。

もう一段捻ってセルを回しますが、私のユンボはこのままでは始動しません。

操作パネルの左側にスロットルレバーが有り、手前(ウサギマーク)に引くと増速(E/g回転数が上がり)し、奥(カメマーク)に押し込むと減速し(E/g回転数が下がり)ます。

目一杯奥に押し込んだ状態ではE/gは始動せず、

又回転数の保持も出来ません。

なので、セルを回しながら同時にレバーを少し引く事によりE/gの始動と、始動後の回転を保持します。

E/g停止時は逆に、キーをOFFにしても停止しませんので、キーをOFFにすると共にスロットルレバーを目一杯押し込みます。

変ですが、ヤンマー に問い合わせるとこれで正常なようです。

通常ディーゼルエンジンは、噴射ポンプに供給する燃料を遮断するソレノイドとキーS/Wが連動しており、キーS/W OFFで停止しますが、私のユンボはスロットルレバー全閉で燃料供給を止めるようです。

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グローに付いて書いた後よくよくユンボのE/gを再確認すると、どうやら私のユンボにはグローが付いていないようです💦。

厳寒期でもスムーズにE/gが始動するので、てっきり付いているものと思い込んでいました。

代わりに画像の黄色のオイルフィラーキャップの上にある赤いレバー、デコンプレバーが付いているようです。

レバー操作により燃焼室の圧力を抜き、始動性の向上とランオン時(キー OFFなどのE/g停止操作によってE/gが停止しなくなる状態)にE/gを強制停止させる機構のようです。

車のディーゼルE/gにも大昔は付いていたみたいですが、私が整備士免許を取得した約30年前には既にデコンプ機構など存在しませんでした。

なので、どう言った構造なのかは私にも良く分かりません。

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スロットルレバーの真下に、赤いレバーが有ります。

これも故障らしく僅かしか動きませんが、どうやら安全装置のようです。

左側の操作レバーの保護ブーツを捲って内部の動きを点検してみたところ、左側レバーにロックを掛ける仕掛けになっているようです。

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作業終了後には、E/g停止後にブームと排土版を地面まで下げておきます。

E/gを停止すると油圧が徐々に抜けて、作業装置が何時の間にか独りでに下降しますので、私のミニではあまり問題は有りませんが、大型ユンボの場合思わぬ事故に繋がる可能性が有ります。

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上の画像から順に走行レバー、右側作業操作レバー(ブームとバケットの操作レバー)、左側作業操作レバー(旋回とアームの操作レバー)、排土版操作レバーになります。

では先ずセンターに鎮座する走行レバーから・・・。

購入時T字型のハンドルが欠品となり、レバーのバーのみの状態になっていました。

そのままでも操作出来なくは無く、特に直進の前進後退には全く不都合は有りませんが、転向するにはレバーを捻る必要が有り、レバー単体では非常に操作性が悪い状態でした。

何か代用に程良い物は無いかと模索していた所(私のユンボはコーションプレートが欠品している為、機体番号が不明で部品が発注し難いです)、ドンピシャな物を見つけました。

ハンドツールの旭金属工業製T字スクエアーレンチです。

通常のT字レンチは、六角のボルトナットを緩締する為の工具たので先端は内六角になっていますが、私のユンボの走行レバーとハンドルの接続部は四角です。

寸法を計ると約10mm。

と言う訳で、10mmのスクエアーレンチを早速お取り寄せ。

仮付けしてみると、若干のズレは有る物の全長も短めで程良い感じ。

ユンボのレバー側がレンチのソケットより気持ち大き目なので、ハンマーで叩き込んでバッチリT型ハンドルになりました。

尚、私のユンボは走行レバーが1本タイプですが、通常は2本有り左右のクローラーをそれぞれ独立操作して走行します。

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左右のクローラー(キャタピラー)です。

日本語では無限軌道と呼ばれ、戦車などでお馴染みですね。

不整地での走破性が非常に高く、どんな所でも走行出来ます。

泥濘みや段差や砂地や雪道などの、どんな悪路も物ともしません。

昔は鉄キャタでしたが、近年は私のユンボ同様ゴム製のクローラーが主流で、大型のユンボ以外は大体ゴムクローラーです。

機種によって違いますが、私のユンボは下の画像のカバーを取り外すとヘッドサイズ17mmの調整ボルトが有り、調整ボルトの緩締でクローラーの張りを簡単に調整出来ます。

一般的には、グリスの注入で調整するタイプが多いかもしれません。

少し長くなりましたので、走行、作業操作編は次回その③で。