Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

礼肥と酷暑による灌水

いつまでも🥵ですねー。

一体いつまで続くのでしょうか?

今は収穫と出荷のみで、昼間に作業しなくて良いのでまだ良いですが、27日から始まった共選(農協出荷)が思いやられます💦。

昨年より火曜木曜午後からの作業となり、一番暑い最中に・・・、あの蒸し暑い倉庫で作業を行うと思うと・・・😱。

27日の初出荷は、まだ流石に出荷量も少なく1hで終わりましたが、最盛期には13時半〜17時くらいまで作業する事もざらです😂。

酷暑の上雨も全く降りませんので、木を弱らせない為にお盆前くらいからまめに灌水を行っています。

収穫前から収穫期に、乾き切った土壌へ一気に水が入ると、喉が渇いたぶどうの木は一気に水を吸い上げて粒まで廻り、裂果してしまう可能性が有ります。

なので、灌水を行うならば適度に土壌の水分量を、ある程度保っておかなければならないと思います。

資料を読み解くと、通常この時期は(成熟期)灌水間隔7日〜10日、一回の灌水量は20〜30mmと有りますが、これだけ暑くて雨が全く降らなければ、排水性の良い私の圃場で10〜15日間隔では乾き切ってしまう恐れが有りそうです。

それにこの灌水量20〜30mm、全くどの位の量なのか経験の少ない私にはサッパリ分かりません???。

以前普及所の指導員さんに聞いてみましたら、半径2mに約20Lと言われましたが、これも・・・???

なので自己流に、スプリンクラー 設備の恩恵を利用して多灌少水で行います。

正解かどうかは分かりませんが、具体的には雨が降らなければ、夕方に毎日15分〜20分程スプリンクラー を回し、それを約3日続けたらその次の日に約1hの灌水を行い、又3日15〜20分で次の日1hと繰り返します。

トータルでどのくらいの灌水量になっているのかはさっぱり分かりませんが、いくら暑いとは言えこれで乾き切ると言う事は無いものと思われ、万一急な大雨に襲われたとしても大丈夫かと思っています。

出荷ばかりに気を取られてすっかり頭から抜けていましたが、丁度今日は1hの灌水日にあたりますので、そろそろ礼肥を行っておきたいと思います。

明日からは台風の影響か、久々に雨も降りそうなので、今日がベストタイミングかと思います。

一昨年までは収穫を全て終えてから実施していましたが、普及所の指導員さんに8月下旬、遅くとも9月上旬までには実施するように指導頂きましたので、昨年からはまだ収穫物の残る中行うようにしています。

因みに昨年の礼肥は、8月29日に実施していました。

実の成熟も終わりに近づき、そろそろぶどうの木は来年に向けて、落葉期まで貯蔵養分を貯め込んで行く時期となります。

葉による光合成で自ら養分を作り出すのですが、美味しい実を沢山生らしてくれたぶどうの木は疲弊し、樹勢が弱り葉を枯れ落としてしまう可能性が有ります。

葉が減ってしまいますと当然光合成量も減り、貯蔵養分も少なくなりますので、来年の生育にはマイナスとなって樹勢を弱らせる事となりかねません。

なので、落葉期まで健全な葉を保つ為に木を元気にしてあげなければなりませんので、ありがとうとご苦労様の意を込めて、礼肥と言う訳ですね☺️。

基本的に施肥はこの礼肥と、9月下旬に行う基肥の2回です。

ぶどうの木はこの時期に貯め込んだ貯蔵養分を利用して、来期の展葉5枚目位までの養分を賄います。

展葉5枚目位まではまだ葉は小さく、葉数も少なく、副梢も当然発生しませんので、光合成で自ら作り出す養分では足りません。

それ以降は、分施による栽培をしたり、明らかに樹勢が弱かったり、チッ素不足の症状が出て追肥が必要と判断された時以外は、ぶどうの場合、施肥は特に必要有りません。

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化成肥料のS503を使用します。

成木は3本しか有りませんので、昨年に購入して余っていた分を使用します。

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施肥の基準量はピオーネでS503の場合は20kg/10a、シャインやオーロラはその2割増しです。

あくまで基準量ですので、その年の樹勢や着果量などにより増減調整します。

今年は特に問題も有りませんでしたので、基準量で施肥を行います。

礼肥を行う木は、成木のシャインWH型、同じくシャインH型、同じくオーロラH型、3年生ロザ3本です。

成木のロザは収穫が終わると伐採しますし、3年生シャインは極少量生らしただけで、2年生以下は房を付けていませんので、礼肥は実施しません。

施肥量は大体の樹冠面積から割り出します。

正確では有りませんが樹冠面積は、WH型が約100㎡、H型が約80㎡とします。

ピオーネの施肥基準量はチッ素量で3.0kg(S503=20kg)/10a(S503  20kgには3kgのチッ素成分が含まれています)なので、WHの場合は1本につきS503で2kg、H型は1本につき1.6kg、各々2割増ししますので×1.2で、WH型がS503で2.4kg、H型で1.92kgとなります。

3年生ロザは初生りで、然程を房を付けていませんので、成木の約6割程度で1kgとします。

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ぶどうの木は、その株元から2m位の所に水分や養分の吸収の良い細根が多く存在すると言われていますので、その辺りを主に地表へ散布します。

肥料は粒状ですから、そのままでは土中に浸透しません。

水に溶ける事により、土中に浸透し素早く根から吸収されます。

なので、散布後は灌水を行うか、雨が降ると予想される直近に実施します。

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最後にスプリンクラーを、1h回して作業完了です。

ぶどうの木さんご苦労様でした!

今年同様、それ以上、来年もどうか美味しいぶどうを沢山生らして下さい🙏!

と、祈りつつ・・・。