Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

土壌診断の結果

何やら試験場が新しい土壌診断の機械を導入したらしく、普及所を通して無料で土壌診断をして頂けるとの事😁!

基本的に1圃場のみとの事でしたが、ダメ元で3圃場の地下15cm付近の土を提出しました。

今日はその結果発表で普及所の指導員さんと、農協の事務所にて面談しました。

一応毎年普及所で、pH値とEC値のみの簡易診断を実施して頂いていますが、このような本格的な土壌診断はお初になります。

ワクワクしながらam10時に農協へ行き、指導員さんから結果と解説をして頂きました。

これを基に、基肥時と土作り時の投入資材と投入量を決めます。

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上からそれぞれ、圃場①、圃場②、圃場③の診断結果です。

内容的に確認する所は、pH、EC、腐植、苦土の飽和度、石灰の飽和度です。

では、それぞれ見ていきましょう。

先ずは一番問題のpH値です。

いわゆる、酸性、中性、アルカリ性と言うやつです。

小学校で、リトマス紙を使った実験をしましたねー。

植物によりそれぞれ成育に適したpH値が有り、ぶどうの場合は品種によりますが、6.5〜7.5又は6.5〜7.0、pH値は7.0が中性になりますので、弱酸性から弱アルカリ性を好むと言う事になります。

この診断書では上限7、下限が6になっています。

3年前、新植前に診断して頂いた時から注意されていますが、相変わらずpH値が少し高く私の圃場の土はアルカリ性に傾きぎみです💦。

今回の数値は①からそれぞれ、7.29、6.90、7.17です。

日本は比較的雨が多く、今日日の雨は酸性雨ですので、何もしなければ基本的に土壌は酸性に傾きます。

それを中和する為に、土作り時に土壌改良材として苦土石灰を施用しますが、毎年のように大量に投入すると当然土壌はアルカリ性に傾きます。

園主さんが、どの位の頻度や量の投入を行なっていたのかは定かではありませんが、恐らく苦土石灰の入れ過ぎかと思われます。

なので、対策として私は3年前の新植時にはピートモスを投入しましたが、その後は苦土石灰を一切投入していません。

圃場②は園主さんが違う方なので、恐らく投入資材やその量が違っていた為、数値が比較的低いものと思われますが、それでもギリギリの数値です。

又、礼肥や基肥に使用する化成肥料もpH値に影響を与え、これもアルカリ性に傾く要因となりますが、だからと言ってその為に肥を控えると言う訳にはいきません。

pH降下資材として、ピートモスやガッテンペーパーなどが有りすが、どれも比較的高価で使用方法も面倒だったりしますし、投入したからと言って急激に変化するものでも無いと思われます。

なので、指導員さんにも資材投入を進められましたが、このまま苦土石灰の施用を一切行わず、自然にpHが降下するのを引き続き待とうと思います。

次にECですが、難しいうんちくは抜きに・・・、要は土中の残存養分量です。

数値は少し低くいようですが、養分をたっぷり使用した成熟期に土を採取していますので、こんなものでしょう。

②の数値が高いのは、分施を行ったシャイン近辺の土を採取した為と思われます。

次に腐植ですが、これは土中の有機物の割合です。

私は毎年、有機資材であるバーク堆肥を投入していますので、これも問題の無い数値と思われます。

次に加給態燐酸で数値が非常に高いですが、化成肥料を投入すると必ず上昇する物なので、問題は無いそうです。

後は、各主要栄養素の飽和度です。

塩基はそれぞれの要素の総合、つまりトータルの栄養素ですね。

石灰はカルシウム(Ca)、苦土はマグネシウム(Mg)です。

どちらも必須の最重要栄養素です。

どちらも飽和状態で判定は全て、石灰が非常に多く、苦土が少し多いと出ています。

先程表記しましたように、私はpH調整の為に苦土石灰を使用しません。

なので、栄養素不足に陥らないように、基肥と一緒に畑のカルシウムと硫マグ(マグネシウム肥料)を施用します。(硫マグは知りませんが、畑のカルシウムはpHに影響を与えません)

そのせいかどうかは分かりませんが、土中の含有量がかなり多くなり過ぎているようです💦。

今年の基肥は化成肥料の果樹一番のみの施用に留めようと思います。

各塩基バランス(栄養素バランス)はCa/Mg、Mg/K共に良好なようです。

やはり1年に1度は、綿密な土壌診断を受けた方が良いようです。

診断を受けていなければ、又余分な栄養素を補充するところでした💦。

普及所の指導員さんにお聞きしたのですが、なにやらNOSAIの果樹共済に加入していれば、サービスで土壌診断を受ける事が出来るとの事。

私は今年加入しました。

効力が発生するのは、次年度からですが。

早速、役場の裏に在るNOSAI事務所へ・・・。

スッキリしない回答が・・・、NOSAIの所有する診断機がいつ何時故障するか分からない代物らしく、故障するまでは土壌診断を受け付けますが、故障したら・・・😱。

一応それも売りにしているのでは?と思いますが、私ごときが機械を買い換えるよう直訴した所で叶うはずも無く・・・、故障しないよう只々祈るのみです🙏!