Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

1回目ジベレリン処理(ホルモン処理)

オーロラとシャインがいよいよ満開期を迎えましたのでそろそろ1回目のジベレリン処理を行っていきたいと思います。

ジベレリンと言うのは植物ホルモンの一種で、稲の病気から発見されたらしい、種無しぶどう栽培には欠かせない薬剤です。

満開から満開3日後までにジベレリンとフルメットを混用希釈した薬液に花穂を浸漬する事により、無核化(種無し)すると共に果粒肥大を促進させます。

全ての品種、全ての木、全ての花穂が同時に満開になってくれれば良いのですが、各微妙にずれるのでタイミングをとるのがなかなか大変です。

私はそれぞれ、中一日開けて三回(三日)計5日間で行うようにしています。

尚、2回目のジベ処理は適期が満開10日〜15日後とされていますので、1回目のジベ処理初日から14日くらいに全て一気に実施します。

これで全ての2回目処理を適期に行える目算になると思います。 

一番早い花穂を5月22日に開花確認し5月26日に満開確認しましたので、それから3日開けて本日開始する事にしました。

一回目のジベ処理は薬液を良く浸透させる為、曇天や夕方などのややゆっくりと乾く条件下で処理するのが望ましいとされています。

又湿度も高い方が好ましいとされています。

天気を調整する事は出来ませんので、時間と湿度を調整して行います。

夕方、スプリンクラー 散水後に実施します。

その間に薬液を作っておきます。

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1Lペットボトル、ジベラ錠、フルメット、計量スポイド、浸漬用ジベカップを用意します。

以前はジベレリンの粉末タイプを使用していましたが、これだと水2Lでの薬液しか作る事が出来ませんので、私の所のような育成園地では廃棄分の方が多くなってしまいます。

なので昨年から1Lで希釈可能な錠剤タイプを使用しています。

錠剤タイプは水に投入すると、入浴剤のように発泡しながら溶解しますので、粉末タイプより混ざり易いと言う利点もあります。

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シャインは2回処理しますので、薬液希釈濃度はジベ25ppmとフルメット5ppmで行います。なので水1Lにジベラ錠1錠とフルメット液剤5ml(半瓶)を混入し良く攪拌します。

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オーロラとピオーネは色付きの問題が有り、あまり大粒にしたくは有りませんので1回処理で行いますので、薬液希釈濃度はジベ25ppmとフルメット10ppmです。

なので水1Lにジベラ錠1錠とフルメット液剤10ml(ひと瓶)を混入し良く攪拌します。

ロザリオビアンコは有核で栽培する所が大半かも知れませんが、私の所は農協出荷条件が種無しなので、それに沿って無核化します。

ロザリオビアンコはフルメットを混用しますと、ショットベリー(小粒果)が多く発生するみたいなのでジベ25ppmのみで行います。

安芸クイーン、クイーンニーナ、瀬戸ジャイアンツなども同様のようです。

ジベ処理作業を行いながら、房作りで長く残し過ぎた花穂が有れば、再度切り込みます。

かなり長すぎたようです💦。

シャインは全体的に1段〜2段長いですね〜。

開花から満開にかけてやはりかなり果軸が伸びるようです。

まだまだ修行が足りないようです😢。

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散水と薬液作成が終わりましたので、早速満開している花穂を薬液に浸漬して行きます。

私は昨年までジベ焼けが怖いので、浸漬した後に花穂を振るっていましたが、薬液を良く浸透させる為にも振るわない方が良いみたいなので、浸漬後はそのまま放置します。

粒が密着してたり、花カスが残っていたりするとそこに薬液が溜まりジベ焼けを起こす事が有りますので、そう言う花穂は振るった方が良いかも知れません。

私は浸漬する前に花穂を少し手で払って花カスを落としてから浸漬するようにしています。

花カス落としにはトルキャップと言うニッキから抽出した薬品が有るみたいなので、来期機会が有れば使用してみたいと思います。

浸漬が終わったら印で残していた肩部の車を除去します。

数日後、粒が肥大して来るのを待って最終果軸長を確認し、いよいよ最終段階の粒間引き(摘粒)の一回目、荒間引きを開始したいと思います。

散水のついでに分施の最終、ノルチッソ1kgをシャイン1本に施肥しました。

今の所、昨年より少し葉が大きいようですが、まだ若い木なので通常の成長分とも思われ、あまり変化は無いように思います。

さて、今年の収穫物の出来栄えは如何な物になるでしょうか?