Grape Fairies'blog ぶどう農家の一年

ぶどう農家の通年作業を綴るブログです。

秋のお仕事、土作り開始

10月4日

ここ2、3日天気が悪かった為少しずれ込みましたが、本日より秋のお仕事土作りを始める事にしました。

ぶどうは根を張った木で通年そこに存在する為、野菜を作る時のように耕運機で広範囲を耕す事が出来ません。(根を沢山切ってしまう為木を弱らせてしまう可能性があります)

若木の場合は新植の時に耕転しますが、その後何もしないと土は締まって硬くなり、樹冠の成長と共に本来延び広がるはずの根が延びにくくなってしまいます。

根が延びが悪ければ栄養や水の吸収も悪くなり、木の成長も阻害されますし、将来的に良いぶどうが出来ません。

成木の場合は根をさらに延ばす訳では有りませんが(通常ぶどうの根は3mくらいしか延びません)、根も古くなってくるとやはり栄養吸収が悪くなります。

なので樹勢にあまり影響が出ない程度に断根し、かつ新しい根が延びやすいように部分的に掘り返して堆肥を投入し、土壌の状態を毎年少しずつ改良していきます。

断根に関しては、賛否両論有りますが私は肯定派です。

枝を剪定するように、やはり根も剪定してあげた方が、より元気に強く延びると信じて行っています。

 

成木は放射状の部分深耕を毎年45度くらいずらしながら、1〜2年目の育成木は株の周りを円形に毎年掘り広げて行きます。

断根を伴う場合はなるべく根が動いている内にと言う事で、成木から始めて行きます。

土壌改良材としては、完熟バーク堆肥を念のためさらに1年寝かした物を使用します。

安物の未熟なバーク堆肥を使用すると、逆効果になり兼ねないので、色々と情報を仕入れて信頼できる所から購入しています。

バーク堆肥は樹皮を発酵させて作った有機質肥料で、化成肥料のように即効性は有りません。土中の微生物の餌となり分解されてやがては栄養になりますが、肥料と考えるよりは土をフワフワに柔らかくし、適度な水分を保持して余計な水分を排出させ、肥持ちを良くする土壌改良材として投入します。

基準量は10aあたり1tですが、入れ過ぎも良くないて言う事で、28aに2t入れています。

と言うのは少し言い訳で、販売単位が2tなんで4tだと・・・、単純にケチってます💦。

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昨年購入し1年寝かせたバーク堆肥です。

昨年はまだ研修中で直接購入出来なかった為、研修先の水車の里で立て替えて購入してもらい、置かせて貰ってました。

長い間ありがとうございまいた。

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木1本に120ℓ入れますので、2本分240ℓづつ運びます。

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来年使用する堆肥2t分、1年寝かせます。

虫が卵を産み付けたりするので、ブルーシートを被せておきます。

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パオ〜ン!

ユンボ出動です!

中古のボロですが、私の10人分くらいは仕事をするにくい奴です。

500kgクラスでぶどう園で使うには最適です。

違法ですが、軽トラにも余裕で積めます。

コンクリートのぶどう棚の場合は、適当に振り回していると、支柱を折ってしまうので慎重に作業します。

昨年は周囲柱を2本折ってしまあました😪。

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昨年深耕した部分から株に対して約45度左回りした場所を、対角に深耕します。

掘る大きさは幅約50cm・長さ約1.5m・深さ約40〜50cmを目安に株元約2m離れた所から外に向かって掘り進めます。

通常ぶどうの根は、地表から30cmくらいの所に有りますので、気持ち深い目に50cmくらいを目安にしています。

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断根はした方が良いと言うものの、出来ればあまり切りたくは無いものですが、一発目から根の集中してそうな場所に当たりました😓。

かなり太根をズタズタに・・・。

まあ太根は栄養吸収せず、そこから延びる細根が仕事するので、あまり気にしないようにします。

半分くらい土を掘り出したら、あとは土を外に出さずに、掘っては落としして耕転するようにします。

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堆肥をひと穴60ℓ投入し、又ユンボで耕転しよく土と混和させます。

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あとは手作業で埋め戻して、ひと穴完了です。

後で掘った箇所が沈んで凹むので、盛り上がるくらいに埋め戻します。

土が足りない場合は圃場の隅の方を少し耕して、そこの土を補充します。

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最初の穴から切れて取り出した太根です。

あまり気持ちの良いものでは有りませんねえ。f:id:GrapeTopia:20191006135117j:image

木を挟んで向かい側も同じように。

根がちゃんと延びますようにとお祈りし、これにて成木1本の土作りは完了です。

ちなみにシャインマスカットの5年生(WH型)でした。

次回は育成若木編です。