ぶどう棚の補修・トンネルメッシュ取り付け
全国のぶどう農家さんにとって、果樹棚の老朽化は避けられない悩みの種ですよね。
棚の補修や新設はプロにお願いすると、非常に高く付くものです。
私の圃場の棚も、言わずもがなかなり老朽化が進んでおり、アンカーが浮いてきてアンカー線はゆるゆる、棚線(縦線・横線)誘引線もたるたりる、メッシュ線に至っては、そこら中が切れてとてもまともに使える状態では有りませんでした。
おまけにひとつの圃場は、前生産者の方が女性と言う事もあり高さが160cm有る無し、作業していると何回も帽子を弾き飛ばされていました。
幸いにも、圃場1と2は角柱と周囲線がまだガッシリしていましたので、昨冬に自分で棚のかさ上げ・折れた周囲柱の交換・アンカー線の交換と張りなおし・全メッシュ線の交換・縦線と横線と誘引線の張りなおし・トンネルメッシュの交換を実施しました。
残念ながら画像を残していませんので、その折の詳細はお伝えできませんが、今冬に圃場3の建て替えを実施しますので(ここはボロボロ過ぎて補修不可と判断しました)、それを詳細に記事にてお伝えし、少しでもぶどう農家さんのお役に立てればと思っています。(特に若手の方)
大元の角柱と周囲線と最低限の周囲柱の設置は流石にプロの方にお願いしますが、その他は旧棚の解体から自分で行います。
私も昨冬の補修の際必死にネット上の記事を探しましたが、参考になるような物は見つから無くて落胆したのを覚えています。
幸いにもプロの方に、お話しをお聞きする機会に恵まれ、あとは見様見真似で何とかビシッと仕上げる事が出来ましたが。
今回はやり残していた圃場2のトンネルメッシュ7列分を行いましたので、その様子をお届けします。
準備した資材は、トンネルメッシュ(B-2型)84枚・補強アーチパイプ98本・交差クリップ350本・天井クリップ98本・ステンレスの針金です。
一つ一つは安価な物ですが、圃場全部を交換するとかなりの数が必要なので、結構な出費になります😭。
まずは資材を購入し、搬入します。
10枚一括りになっていて、メッシュ同士が引っかかるので、一人で降ろすのは結構大変です。
今回は農家の店しんしんさんで購入しました。
トンネルメッシュはB-2型(縦の線が下になっているタイプです)
B-1型は縦の線が上になっていますので、メッシュ同士を組めませんので要注意です。
強度を気にされない方はどちらでも大丈夫です。
トンネルメッシュには、幅によってA型(総幅150cm・取り付け幅100cm・ベリーAなどの小さなぶどう用)、B型(総幅180cm・取り付け幅120cm・シャインやピオーネなどの大粒ぶどう用)、C型(もっと大きな物、私は見た事が有りません)があります。
元々はA型が付いていましたので、幅を100cmから120cmに変更し、新品の半鋼線にて張り替え済み。
交差クリップは3種類有りますが、トンネルメッシュの取り付けには、青のマーキングの有る物を使用します。
赤は棚線の縦と横の交差部を固定するのに使用し、緑は補強アーチパイプの天井を固定するのに使用します。
補強アーチパイプB型用です。
先ずは一番端に付けるトンネルメッシュの片側のみ突起部を軽く折り曲げます。
曲げていないとビニールが引っかかって破れてしまいます。
一番下の2箇所はメッシュ線に添わす為曲げません。
ここで注意ですが、曲げる時は縦線と横線の交差部を軽く親指と人差し指で摘んで固定して下さい。
固定しておかないと、交差部の溶接が外れてしまう可能性大です。
メッシュ線の上に乗せます。
一番下端出っ張りを周囲線の上に乗せます。
私の考えですが、一番端は周囲線もしくはなるべく周囲線に近い所に固定した方が、強度が増すと思います。
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アーチパイプの穴に交差クリップを通し、当てがいます。
メッシュの縦線とメッシュ線を共にクリップで巻き付けます。
手でも可能ですが、画像のように別のクリップを当てがってクリクリと巻いた方が楽です。
この時回す方向に注意して下さい、逆に回すとすぐにクリップが変形して使えなくなってしまいます。
反対側も同じように行います。
これは私独自のやり方ですが、メッシュ線に巻き付けた反対側は周囲線に手で無理矢理巻き付けます。
同じく反対側も同じように。
アーチパイプとメッシュ線を共に天井クリップでまきます。
一番端に付けるメッシュのみ、端と真ん中に2本アーチパイプを取り付ける事になります。
トンネルメッシュの真ん中の横線にアーチパイプを当てがい、穴にクリップを通します。
横線は13本ですので、どちらから数えても7本目が真ん中です。
覚えておくと分かりやすいです。
端と同じように巻き付けます。
反対側も同じ様に巻き付けて、天井クリップを取り付けます。
心配性な私は、さらに4箇所をステンレスワイヤーで固定します。
こんな感じで一番目のトンネルメッシュは取り付け完了です。
続いて2枚目をのせます。
1枚目と2枚目のメッシュの、1番下と2番目の出っ張りどうしを同時に組み込みます。
出っ張りどうしが内側を向くように組みます。
反対側も同じように組みますが、最初に組んだ方の2枚目が上に重なっている時は、反対側は下に重ねるように、逆に下の場合は上に重ねて組みます。
1枚目に対して2枚目を、右か左に捻ってずらして組むような感じです。
こうしておかないと後で上を組み込んだ時に、ずれてどちらかのメッシュが飛び出ます。
交差クリップで固定します。
残りの縦線3本を同じ様に組み、各々ペンチで締めます。
トンネルメッシュの縦線が上に付いているタイプ(1型)を使用すると、このように組めないのでご注意下さい。
(組む事は可能ですが、突起部が外側に向かって出っ張るので、ビニールを張る時に引っかかってビニールが破れると思います)
(又組まなくても取り付け出来ますが、組んだ方が全体にきょうどは上がると思われます)
棚線の縦横の交差クリップの外側を1度外してメッシュを挟み込んで、再びクリップを巻き付けます。
お好みで、針金等を用いて別途固定して下さい。
これで2枚目も組み付け完了です。
後は同じ様に組み付けて行き、最後の一番端は最初の端と同じ様に取り付けます。
私は最後のメッシュがはみ出た場合は切断し、寸足らずの場合は切断したメッシュを継ぎ足して、最後に周囲線に固定出来るようにします。
一列全て組むとこんな感じです。
アーチパイプを付けると、いかにも頑丈そうで頼もしい感じですね!
作業中は指を挟んだり、突起部等で手を切ったりする恐れが有るので、くれぐれも気をつけて作業して下さい。