予防(農薬散布)について
本日はシーズン最終の予防を実施しました。
農家では農薬散布の事を、予防又は防除と呼びます。
農薬と聞くと消費者の方々からすれば、少し嫌な話題では無いでしょうか?
カッコ良く無農薬栽培といきたいところですが、前にも書いたようにぶどうは病害虫に非常に弱い植物です。
果樹の場合は、野菜のように病害虫に侵されてその年の収穫物をあきらめれば良いと言う訳では無く、木が病気になるとその先ずっと影響を受けます。
最悪枯れでもすると、植え替えて成木になるまでに又4年の歳月を費やす事になります。
又予防を施していない作物は、農薬に代わる明確な作業を実施していないと、農協出荷も直売所での販売も許されません。
ですので嫌ながら(散布すると保護具を付けているとは言え私にもかなりのリスクがあります)農薬散布を行います。
それぞれの農薬には、メーカーさんの厳格な試験により、農作物に農薬が残留しないよう農作物によって、収穫何日前までに希釈倍率が幾らで使用して下さいと言ったように、注意書きが大きく表示されていますので、必ずそれを守ります。
特に農協出荷は抜き打ち検査が有り、万が一残留農薬が検出されますと、私一人の問題では無く矢掛町のぶどう全てが、一定期間出荷停止となります。
ですので、日本の農作物は安心して召し上がって頂いて大丈夫です!!
ただし外国産の果実には注意が必要です。
私の知る限りでは、特にオレンジとレモンですね、皮が厚く剥いて食べるので問題無いように思いますが、日本で使用出来ないような農薬が中までたっぷり染み込んでるようです。
船便で長期間かけて運ばれてくるのに痛まないのは、こう言った要因らしいです。
話は戻りますが、基本的には農協の防除日誌に則って作業を実施します。
防除日誌。
シーズン中は月に2〜3回有ります。
実施月日と散布量を記入し提出。
晩腐病・黒とう病・べと病・うどんこ病etc
ぶどうには、様々な病気があります。
害虫で代表的な物はカイガラムシですね。
私はまだ見た事がありませんが。
これが来ると売り物になりません。
大敵です。
なかなか退治も難しく、木の皮の中などに住み着き越冬して次の年に又悪さをします。
なので手が空けば、冬場に荒皮剥きと言ってぶどうの木の皮を剥きます。
この作業は、寒い時期に非常に面倒くさいので嫌がってされない方が多いですが、何故か私は好きで、毎冬剥きすぎやろうと言うくらい剥きます。
木が非常に綺麗になるので意地になり、一心不乱に剥いてしまいます。
春になってブリージングが始まると剥き過ぎた箇所からは、涙のように樹液が垂れてくるのですが、それを見る度やり過ぎた💦と反省します。
愛用の共立製自走式動噴(動力噴霧機)ホースの巻き取りもリモコンで快適です。
攪拌機付き。
予防は朝早い為前日に積み込み、タンクに水を入れておきます。
今回の水量は150Lです。
攪拌機と給水ホースと余水ホースを接続して準備完了です。
上下合羽を着用し、ゴーグル・防塵マスク・ゴム手袋を装着するので、メチャクチャ暑いです。
なのでなるべく朝早くにスタートします。
明日は6時スタート予定、遅刻しないようにしまーす!
昨日水を入れておいたタンクにまず展着剤を投入し、良く攪拌します。
これは薬を良く付着させる為に使用します。
スプラサイド水和剤、カイガラムシを退治します。
希釈倍率に則って適正量を投入し、良く攪拌します。
攪拌機と給水ホースと余水ホースを入れ、散布用の竿を装着して準備完了です。
ノズルは5頭口を使用します。
完全防備?
果樹は野菜と違い上に噴霧するので、どうしても全身浴びてしまいます。
噴霧中、収穫後ですので気を使わず行いますが、房がある時はなるべく房にかからないように心がけています。
ぶどうの予防は基本的には房では無く、全て葉面散布ですので、房にかけてもあまり効果はありません。
散布後はタンク内を良く洗い、再び真水を入れて動噴内に水を通して良く洗います。
後は各道具を洗浄して終了です。
今回は、今シーズンラスト作業なので、オイル交換をしておきます。
まずドレンボルトを外し古いオイルを抜きます。
再びドレンボルトを取り付け、新しいオイルを規定量入れ終了です。
倉庫に入れて、燃料コックを閉めガス欠で止まるまでエンジンをかけておきます。
キャブのドレンと燃料コックの下からガソリンを抜きます。
長期使用しない時はこうしておくと、キャブレターの詰まりを防ぐ事が出来ます。
あとはシートを掛けて、ご苦労様でした、お休みなさい💤。